新潟県警察

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新潟県治安対策アクションプラン
〜 安全・安心な地域社会をめざして 〜


はじめに
 
 刑法犯の認知件数が、平成14年には3万5,947件と戦後最多を更新し、検挙率も30パーセントを割り込むなど危険水域に達した治安情勢の下、犯罪の増加基調に早急に歯止めを掛け県民の不安を解消するため、県警察では、平成15年11月、緊急かつ重点的に取り組んでいく治安対策のプログラムとして、本県独自の「新潟県緊急治安対策プログラム」を策定しました。以来、県民が安心して暮らせる安全な社会の確立を目指し、同プログラムの施策の実現に向けた取組みを推進してきました。
 その結果、平成18年には、県内の刑法犯認知件数は2万6,126件で、平成15年以降4年連続して減少するなど、徐々にではありますが、治安再生の曙光が見え始めていると考えられます。
 また、悲惨な交通事故から県民の生命・身体を守るため、総合的な交通事故防止対策を推進した結果、平成18年の交通事故死者数は、昭和35年以来46年振りに170人を下回り、161人まで減少しました。
 しかし、全国的に子どもが被害者となる事件や少年による社会を震撼させる事件が相次いで発生し、振り込め詐欺等の匿名性の高い知能犯罪も多発しており、県民の治安に対する不安はむしろ高まっていると言っても過言ではない状況にあります。
 また、平成18年10月に県警察において実施した「新潟県の治安と警察活動に関する県民意識調査」においても、「ここ3年間くらいで、自分自身や家族が犯罪にあう不安が多くなった。」と回答した方の割合は68.9%と、犯罪被害への不安感が高いことが浮き彫りになりました。
 このように新潟県では、治安再生の曙光が見え始めているものの、県民が治安回復を実感するには至っていないことから、治安再生への道筋を確実なものとするため、県警察においては、これまでの施策を引き続き着実に実施するとともに、同プログラムを補完・加速化して、犯罪や交通事故の発生を抑止し、犯罪を検挙する取組みを推進していかなければなりません。
 そこで、今般、「新潟県緊急治安対策プログラム」策定当時からの情勢の変化や警察が対応すべき新たな課題を踏まえ、追加して実施すべき施策及び同プログラムに盛り込まれた施策を更に深化させて実施する施策を加え、あらゆる警察活動を通じて重点的に推進する施策を総合的に取りまとめた「新潟県治安対策アクションプラン」を策定しました。
 県警察では、平成19年からおおむね3年を目途に、この「新潟県治安対策アクションプラン」に盛り込まれた施策の実現を図り、治安回復に向けた取組みを強力に推進することとしました。
       
1 安全・安心なまちづくりの推進
       
 平成17年7月に施行された「新潟県犯罪のない安全で安心なまちづくり条例」に基づいた官民協働による自主防犯対策への取組みが実施されているところですが、平成18年10月に、県警察が実施した「新潟県の治安と警察活動に関する県民意識調査」の結果では、警察に特に力を入れて取り締まって欲しい犯罪として「子どもに対する犯罪(55.7%)」、警察に特に力を入れて欲しい活動として「制服警察官によるパトロール(53.8%)」が多数を占めました。
 県警察では、これらの県民の声や「新潟県犯罪のない安全で安心なまちづくり条例」の基本理念を踏まえ、関係機関・団体との連携を更に強化し、安全で安心して暮らせるまちづくりを推進します。
         
  (1)  犯罪抑止総合対策の推進
      「新潟県緊急治安対策プログラム」において示した「平成14年の刑法犯認知件数3万5,947件を約20パーセント減の年間2万8,000件以下にする。」という目標の達成に向けて取り組んだ結果、平成18年には2万6,126件まで減少させ、目標を達成することができました。
 しかし、重要犯罪の認知件数は依然として高水準にあり、子どもや女性、高齢者等が被害者となる事件や街頭犯罪、侵入犯罪等の発生が県民の不安を増幅させています。
 これらの犯罪の発生を抑止するため、平成21年までに「刑法犯認知件数を平成12年以前の水準に戻すこととし、年間2万4,000件以下にする。」という目標を設定した上で、次に掲げる対策を総合的に推進します。
       
     街頭犯罪等防止のための対策の推進
       犯罪抑止のため、犯罪情勢を分析するとともに、ホームページ、テレビ等の広報媒体の活用や防犯研修会等を通じて犯罪発生状況や防犯情報を積極的に県民に提供し、県民の防犯意識の向上と自主防犯活動の促進を図ります。
 また、市町村における安全安心条例の制定等の自主防犯対策への取組みを支援します。
 さらに、コンビニ等深夜営業店や金融機関その他の事業所の防犯体制の強化を図るため、管理者に防犯設備の整備・充実や従業員研修等の自主防犯対策を要請するとともに、必要な支援を行います。
 加えて、関係機関と連携して子どもや女性、高齢者等を対象とする防犯教室や研修等の広報啓発活動を強化します。
       
     侵入盗防止のための対策の推進
       県民の鍵かけ意識の向上や建物防犯設備・装置の利用促進等を図るため、侵入盗の発生や防犯対策に関する情報提供に努めるとともに、防犯設備士の資格を有する警察官による専門的かつ実効性のある建物防犯指導を行うなど、防犯指導体制を強化します。
       
     交番機能の強化
       交番は地域における安全センターとしての役割を担うことから、交番の勤務態勢に間隙を生じさせないよう、交番勤務員の増員及び配置の見直しを推進するとともに、事件・事故の取扱いの多い交番には交番相談員を配置し、来訪者の利便性の向上を図ります。
 また、パトロールカー勤務員による不在交番への立寄りや駐留警戒等の交番支援活動を強化するとともに、交番来訪者が警察署と直接通話することができるアウトドアホンの活用等により、交番機能の強化を図ります。
       
     地域警察官の街頭活動の強化
       制服警察官によるパトロールを強化して欲しいという県民の要望を踏まえ、交番前や主要交差点、駅等の公共交通機関等における制服警察官による警戒活動やパトロールカーの効果的な運用を行うなどの「県民から見える活動」を強化します。
 また、若手地域警察官を指導・育成する職務質問技能指導員等の体制を充実し、地域警察官の職務執行能力の向上を図るとともに、犯罪の多発する地域や時間帯に重点を置いたパトロール・警戒等の街頭活動や職務質問活動を強化して、犯罪の抑止と検挙に努めます。
 加えて、県民に110番電話の適切な利用の促進を広報するとともに、110番通報を受けた通信指令室においては、事件に即応した迅速・的確な緊急配備等の指令により事件の早期解決を図ります。
       
     防犯ボランティア活動の支援対策
       防犯ボランティアの育成や職域団体・企業との協定締結等を推進し、それらの活動の拡大と活性化を図るため、犯罪の発生情報や不審者情報等の発信を行うとともに、活動に必要な指導や研修を実施するなどの取組みを支援します。
 また、防犯ボランティア活動の活性化のため、県・市町村に対しては財政的措置や体制整備の促進等の支援のための働きかけを行います。
       
  (2) 子どもを犯罪被害から守るための取組みの強化
     子どもが被害者となる悪質な犯罪が全国的に続発していることから、次世代を担う子どもを犯罪被害から守るため、次に掲げる取組みを推進します。
       
     通学路等における安全確保対策の推進
       子どもに対する犯罪を取り締まって欲しいという県民の要望にこたえ、学校や地域住民等と連携して通学(園)路、公園、広場等におけるパトロール活動や安全点検等を強化します。
       
     子どもの安全を確保するための支援等の推進
       教育委員会等が行う児童・生徒、学校教職員、保護者、ボランティア等を対象とした安全教室・研修(訓練)や地域安全マップの作成等を支援するほか、不審者情報等の共有化や「こども110番の家」の整備等子どもの安全確保に向けた対策を強化します。
       
     スクールサポーターの導入
       スクールサポーターの警察署への配置を促進し、通学路・学校における子ども安全対策等を推進します。
       
  (3)  少年非行防止・保護総合対策の推進
     本県における刑法犯少年の検挙人員は、平成15年から4年連続して減少しているものの、平成18年の刑法犯検挙人員の約3割を少年が占めており、そのうち約7割が自転車盗、万引き等の初発型非行(※)となっていますが、凶悪・粗暴な事件も後を絶ちません。
 また、性的被害等少年の心身に有害な影響を与える福祉犯被害も依然として多発しています。
 そこで、このような実態に対応した、少年の非行を防止する対策及び少年の立ち直りを支援するなどの保護対策を総合的に推進します。
         初発型非行:
       
 
 単純な動機から安易に行われて、凶悪・粗暴犯等の本格的な非行へ深化していく危険性が高い非行(万引き、自転車盗、オートバイ盗、占有離脱物横領の4罪種)をいう。
     
     初発型非行防止対策の推進
       学校等と連携した非行防止教室の開催等により、児童・生徒の規範意識の向上を図るととともに、自転車盗難の被害防止活動や各地区万引き防止協議会等と連携した万引き防止活動等の初発型非行防止対策を推進します。
       
     非行集団対策の推進
        少年犯罪が集団によって行われる傾向が見られることから、非行集団に対する取締りと夜遊び少年のたまり場解消等を目的とした街頭活動を強化するなど、少年の非行集団への加入阻止及び非行集団からの離脱促進対策を推進します。
       
     少年サポート活動の推進
        次世代を担う少年の健全育成を図るため、学校等関係機関と連携し、地域社会と一体となった少年の社会参加活動を推進するとともに、少年サポートセンターを中心とした少年相談や少年の立ち直り支援活動のほか、関係機関による少年サポートチームに積極的に参画するなどの少年サポート活動を推進します。
       
     出会い系サイト対策の推進
       出会い系サイトを利用した少年が福祉犯被害に遭う事件が後を絶たないことから、出会い系サイトに係る事件の検挙を図るとともに、非行防止教室等を活用した規範意識の向上、フィルタリングシステム(※)の普及・啓発等による出会い系サイト対策を推進します。
         フィルタリングシステム:
            ウェブサイト上の違法・有害情報へのアクセスを制御するために、受信者側でこれらの情報を受信するかどうかを選択できるシステム
       
  (4) 繁華街・歓楽街における安全・安心の確保
      繁華街・歓楽街は依然として、暴力団や来日外国人犯罪組織による資金の獲得拠点となっており、また、いかがわしい広告や悪質な客引き行為が後を絶たず、風俗環境が害されているなど憂慮すべき状況にあることから、健全で魅力あふれる繁華街・歓楽街の再生のための取組みを推進します。
         
     官民協働体制の確立
        自治体、地域住民、商店街、警察等のまちづくりの関係者が目標を共有し、連携して活動するための協議会等の設置に向けた働きかけを行い、繁華街・歓楽街の再生に向けた官民協働体制を確立します。
       
     風俗環境浄化対策の推進
       風俗環境の浄化を図るため、悪質な客引き行為を取り締まるとともに、性風俗事犯、不法就労事犯等の取締りを強化します。
        
  (5)  適切な被害者支援活動の推進
     「新潟県被害者支援連絡協議会」(※)に携わる関係機関・団体等との連携を密にして適切な被害者支援活動を推進します。
 また、NPO法人「にいがた被害者支援センター」(※)が行う交通事故や犯罪の被害者及びその家族等に対する援助活動を支援します。
         「新潟県被害者支援連絡協議会」:
           警察、地方公共団体、病院、ボランティアなどの民間団体等の機関や団体が連携し、協力し合って被害者の幅広い要望に応えていくことを目的に、平成10年7月27日に設立された団体
         「にいがた被害者支援センター」:
           ボランティアにより組織され、犯罪や事故による被害者や家族等を支援し、県民の被害者支援意識の高揚を図ることを目的に、平成18年2月に設立された被害者支援団体
       
2 重要犯罪等に対する捜査の強化
 
 「新潟県緊急治安対策プログラム」において示した「平成14年の刑法犯検挙人員5,566人を約5パーセント増の5,800人以上にする。」という目標の達成に向けて取り組んだ結果、平成18年の県内の刑法犯検挙人員は5,712人まで増加しました。
 しかし、県民に直接不安を与える殺人、強盗等の重要犯罪等は依然として多発傾向にあるほか、新たな手口による振り込め詐欺やヤミ金融事犯、知的財産権侵害事犯等の生活経済事犯の発生も高水準で推移しています。
 以上の情勢を踏まえ、治安再生に向けて捜査力を強化し、重要犯罪をはじめとした犯罪を徹底検挙するため、平成21年までに「刑法犯検挙人員を平成14年から平成18年までの過去5年間の刑法犯検挙人員平均の約5パーセント増の年間5,900人以上にする。」という目標を設定した上で、次に掲げる取組みを推進します。
 
  (1) 重要犯罪・重要窃盗犯の徹底検挙
     平成18年の重要犯罪(※)の認知件数は10年前の約2倍に増加しています。また、重要犯罪に転化するおそれのある重要窃盗犯(※)の認知件数は、平成15年からの重点的な犯罪抑止活動により3年連続で減少していますが、その検挙率は40パーセント前後と依然として低いものになっています。
 そこで、重要犯罪・重要窃盗犯の徹底検挙を図るため、次に掲げる取組みを強化します。
         重要犯罪:
           殺人、強盗、放火、強姦、略取誘拐・人身売買及び強制わいせつの各罪種をいう。
         重要窃盗犯:
           窃盗のうち侵入盗、二次的犯罪や身体犯に移行するおそれの高い自動車盗、ひったくり及びすりの各手口をいう。
       
     機動捜査力の充実強化
        スピード化する犯罪に対応するためには、機動力を生かし、早期に犯罪発生現場等へ臨場した上で、被疑者の検挙、証拠の保全、不審者への職務質問等の初動捜査活動が重要となります。
 そこで、警察署、機動捜査隊等における捜査執行力の強化と事件情報の共有化を一層推進し、犯罪発生時の初動捜査に迅速に対応できる機動捜査力を強化します。
       
     科学捜査の推進
        物証による捜査が一層重要となっていることから、科学捜査の原点たる現場鑑識活動を徹底するほか、犯人の検挙に成果を上げているDNA型鑑定を一層推進します。
  そのため、DNA型鑑定資機材等の整備、鑑定等にかかわる人材の育成、指紋記録やDNA型記録のデータベース化の充実を図るなど、効率的かつ効果的な科学捜査を行うための取組みを推進します。
       
     共同・合同捜査の推進
        広域化する犯罪の捜査を効率的に行うためには、事件に関係する警察署や都道府県警察と積極的に協力し捜査を進めることが必要です。
  そこで、類似事件が発生している警察署や都道府県警察との連携を密にし、捜査情報を共有した上で、相互に連携を取りながらそれぞれの部署で捜査を進める共同捜査や専従体制を確立して一体的な捜査を進める合同捜査を積極的に推進します。
       
     自動車ナンバー自動読取システム等の拡充
        広域・スピード化する重要犯罪等に的確に対応するため、自動車ナンバー自動読取システムの一層の拡充を図ります。
  また、犯罪の発生時間や場所、手口等から犯人像を推定するプロファイリングの導入等捜査を支援するシステムの整備を推進します。
       
     捜査の効率化等の推進
        重要犯罪等の捜査を重点的に推進して事件解決を図るには、限られた捜査力を一層効率的に運用し、捜査体制等の確保を図る必要があります。
  そこで、重要犯罪等に対して捜査力を振り向けるため、捜査書類等の合理化や的確な捜査指揮による捜査力の効率的運用等、捜査の合理化・効率化を一層推進します。
  また、検視に係る指導の強化等により、検視の的確な実施を確保するための取組みを推進します。
       
  (2) 振り込め詐欺等匿名性の高い知能犯罪対策の推進
      いわゆる振り込め詐欺(※)等の匿名性の高い知能犯罪は、積極的に取り締まっているにもかかわらず、その発生件数及び被害総額は依然として高水準で推移しています。
  これらの犯罪の検挙向上を図るため、捜査体制を強化するとともに、振り込め詐欺のみならず、犯行を容易にしている預貯金通帳や携帯電話の不正な売買等の行為をあらゆる法律を適用して取り締まります。
  また、常に最新の手口傾向を踏まえた犯罪情報を県民に提供し、効果的な広報啓発活動を推進します。
          振り込め詐欺:
            親族を装うなどして電話をかけ、交通事故の示談金等の様々な名目で現金が至急必要であるかのように信じ込ませ、動転した被害者に指定した預貯金口座に現金を振り込ませるなどの「オレオレ詐欺」、架空の事実を口実に金品を請求する文書を送付して現金を指定した預貯金口座に振り込ませるなどの「架空請求詐欺」及び融資を受けるための保証金の名目で現金を指定した預貯金口座に振り込ませるなどの「融資保証金詐欺」を総称して「振り込め詐欺」という。
       
  (3)  生活経済事犯の取締りの強化
      社会・経済情勢を反映して、依然としてヤミ金融事犯(※)が後を絶たず、またインターネットを利用した偽ブランド販売等の知的財産権侵害事犯(※)、高齢者を対象とした悪質リフォーム業者による特定商取引等に係る事犯(※)が多発していることから、これら生活経済事犯の取締りを強化します。
  また、これら事犯に対する被害者対策を推進するとともに、ポスターの配布、防犯講座の開催等、被害防止のための広報啓発活動を強化します。
         ヤミ金融事犯:
           出資法違反(高金利)事件及び貸金業の規制等に関する法律違反等の事件    
         知的財産権侵害事犯:
           不正競争防止法、商標法、著作権法違反等の事件
         特定商取引等に係る事犯:
           消費者取引に係る特定商取引に関する法律違反、詐欺等の事件
           
  (4)  サイバー犯罪対策の推進
      情報通信ネットワークの発展に伴い、本県においても、サイバー犯罪に関する相談受理件数が増加しており、フィッシング(※)によるID・パスワード窃取被害も発生するなど、サイバー空間の安全確保は、治安を確保する上で放置できない課題となっています。
  そこで、ハイテク犯罪対策室を中心に、サイバーパトロールによる事件情報の収集に努め、サイバー犯罪の取締りを強化します。
  また、サイバー犯罪の捜査能力の向上等を図るための教養、研修等を実施するとともに、サイバー犯罪の情報を集約・分析し、新たな手口の犯罪に的確に対応します。
  加えて、サイバー犯罪被害の防止及び企業等の情報セキュリティ強化を目的として、関係機関・団体等と連携した違法・有害情報対策や情報セキュリティ対策を推進するとともに、ホームページや各種広報媒体を活用した広報啓発活動を推進します。
          フィッシング(Phishing):
            銀行等の実在する企業を装って電子メールを送り、その企業のウェブサイトに見せかけて作成した偽のウェブサイトを受信者が閲覧できるよう誘導し、そこにクレジットカード番号、インターネット上で個人を識別するためのID、パスワード等を入力させて、金融情報や個人情報を不正に入手する行為をいう。
           
  (5)  刑事司法制度改革に対応した捜査の推進
      国民の中から選ばれた裁判員が裁判官と一緒に刑事裁判の審理に参加し、有罪・無罪を判断し、刑を決める「裁判員制度」が平成21年5月までに導入されます。
  そこで、警察としても、裁判員に分かりやすい立証等に向け、検察庁と連携し、捜査の在り方ついて必要な検討と改善を加え、同制度に的確に対応した捜査を推進します。
  また、このような警察の捜査を取り巻く環境の変化を踏まえ、的確な捜査指揮及び捜査管理のための指導教養を徹底します。
     
  (6) 通訳体制の確立
      多様な言語に対応した通訳担当職員の育成、有能な民間通訳人の確保等を一層推進します。
           
3 組織犯罪対策・来日外国人犯罪対策の推進
       
  暴力団をはじめとする反社会的勢力は、銃器・薬物の不正取引はもとより、恐喝、賭博等の伝統的資金獲得犯罪のほか、証券・金融取引等を舞台に暗躍するなど、様々な分野において資金獲得活動を行っています。
  これらを有力な資金源としている暴力団や来日外国人犯罪組織等の壊滅・弱体化を図るため、次に掲げる対策を推進します。
       
  (1)  暴力団の壊滅・弱体化に向けた取締りの推進
      事件情報の積極的な収集・集約及び情報の共有により、暴力団の活動や資金源等の実態を解明し、組織の存続基盤である資金源犯罪を集中的に取り締まるとともに、あらゆる法律を適用して暴力団を徹底的に取り締まります。
  また、犯罪行為に至らない不当要求行為等に対しては、暴力団対策法に基づいた中止命令等を積極的に行い、組織の壊滅・弱体化に向けた戦略的な対策を推進します。
  さらに、各業種許可関係機関に対する情報提供や広報啓発活動等を行うほか、暴力追放運動推進センター、企業対象暴力対策協議会、弁護士等と連携した活動を積極的に推進し、暴力団排除気運の高揚を図ります。
       
  (2)  銃器・薬物事犯の取締りの強化
      潜在化する銃器・薬物事犯は、事件情報の入手そのものが困難なことから、ターゲットを絞った計画的な内偵捜査による徹底した取締りを実施することにより、銃器・薬物の供給源を遮断し、犯罪組織の資金源と人的資源の封圧を図ります。
  また、関係機関との連携を強化し、各機関との情報交換や水際対策等の諸対策を推進するとともに、違法銃器の根絶、薬物の乱用防止等の広報啓発活動を積極的に推進します。
     
  (3)  不法滞在を助長する事犯等の取締りの強化
      外国人登録証明書等の各種文書偽造、日本旅券の不正取得、地下銀行等の悪質・組織的な不法滞在を助長する事犯の取締りを強化します。
  また、偽変造旅券使用による不法入国事犯の取締りを強化します。
       
  (4)  入国管理局等と連携した諸対策の推進
      国際海空港を利用した集団密航事案、銃器・薬物の密輸入事案、盗難自動車等の輸出事案等の取締りを強化するとともに、入国管理局と連携した合同摘発を積極的に推進します。
  また、新潟東港の治安対策を推進するため、「新潟東港治安対策推進本部」(※)の指導・調整による各種実態把握活動、古物営業法に基づく立入り、交通検問等不法滞在者の取締りを推進するほか、自治体等関係機関や地域住民と連携した活動を推進します。
          新潟東港治安対策推進本部:
            新潟東港地域の治安回復を図るため、平成17年4月21日に設立された県警察本部関係課による推進組織
           
4 総合的なテロ対策等の推進
       
 国際テロの脅威が高まっている中、平成20年には、我が国において第34回主要国首脳会議の開催が予定されていることから、警戒警備体制を強化してテロ等の未然防止に万全を期す必要があります。
 また、県内にはテロの標的となり得る柏崎刈羽原子力発電所、新潟空港等重要施設が存在するほか、北朝鮮による日本人拉致問題やミサイル発射、核実験等の動向もあることから、テロの未然防止を図るため、次に掲げる対策を推進します。
       
  (1)  テロ等未然防止対策の強化
      海上保安庁や入国管理局等と連携し、沿岸部における警戒や国際海空港での出入国チェックを強化するとともに、不審外国人の発見・検挙、不正輸出事案の防止と検挙を図ります。
  また、テロ等の未然防止を図るため、警備情報の収集・分析能力を高め、不審外国人に関する情報収集を目的とした県内外国人コミュニティの実態把握活動を強化します。
  さらに、テロ及びサイバーテロを未然に防止するため、重要インフラ事業者との連携を強化するとともに、極左暴力集団及び右翼対策を推進して指名手配被疑者等の発見・検挙及び違法行為の取締りを強化します。
 加えて、新潟空港や柏崎刈羽原子力発電所等テロの標的となり得る重要施設に対する警戒警備を強化するとともに、テロ対策に対する県民の理解と協力を得るための積極的な広報活動を推進してテロ等の未然防止に努めます。
       
  (2)  重大事案対処能力の強化
     テロ等突発重大事案や大規模災害等の重大事態発生時において、被害の拡大防止をはじめとした早期の人命救助や、迅速・的確な現場対応を図るため、装備資機材の整備・充実と習熟に努めます。
  また、自衛隊等関係機関との連携を強化して実戦的訓練を行い、対処能力の向上を図るとともに、機動隊等の緊急事態対処能力の向上を図ります。
       
  (3) 北朝鮮による日本人拉致容疑事案等の解明
      本県で発生した3件の北朝鮮による拉致容疑事案及び北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案の解明に向け、警察庁をはじめ関係機関との連携の下、県民の理解と協力を得ながら捜査・調査を推進します。
     
5 重点的な交通安全対策の推進
       
 悲惨な交通事故を防止するため、「新潟県緊急治安対策プログラム」において示した「平成14年中の年間交通事故死者数235人を平成18年までに約20パーセント減の180人以下にする。」という目標の達成に向けて取り組んだ結果、平成18年の交通事故死者数は161人で、目標を達成するとともに、昭和35年以来46年振りに170人を下回ることができました。
 今後、更に交通事故を抑止するため、平成21年までに「年間の交通事故死者数を155人以下にする。」という目標を改めて設定した上で、次に掲げる交通安全対策を重点的に推進します。
       
  (1)  高齢者の交通事故防止対策の推進
     本県では、交通事故死者数の過半数を高齢者が占めていることから、高齢者の特性に応じた交通事故防止対策を推進することが重要です。
 そこで、自治体・関係機関等と連携し、高齢者対象の自転車教室や参加・体験・実践型の交通安全教室の積極的な開催、高齢者宅への訪問指導の実施等により、高齢歩行者や自転車利用者に対する交通安全教育の充実を図るとともに、夜光反射材や高齢運転者マークの普及促進を図ります。
 また、高齢運転者による交通事故を防止するため、認知症の疑いのある運転者等の把握に努め、運転適性検査を強化するとともに教習所における高齢者講習内容の充実を図ります。
 さらに、道路標識や信号機の高度化を推進し、高齢者や障害者等に優しい道路交通環境の構築を図ります。
       
  (2)  悪質・危険運転者対策等の推進
      交通事故を防止し、安全で快適な交通社会を実現するため、白バイや交通取締り用自動車等の機動力を駆使し、次に掲げる交通指導取締り等を強化します。
       
     悪質・危険な交通違反等の取締りの強化
       交通事故に直結する飲酒運転、無免許運転、最高速度違反、交差点関連違反等の悪質・危険な交通違反や暴走族等を重点とした取締りを強力に推進します。
  また、救護義務違反(ひき逃げ)や危険運転致死傷罪の捜査を強化するとともに、無免許運転や免許証を悪用した不正借入等の防止を図るため、免許証のICカード化を着実に推進します。
       
     違法駐車対策の推進
       円滑な交通を阻害する放置駐車に対しては、駐車監視員による確認事務等平成18年6月施行の違法駐車取締りに関する新制度の適切な運用を図り、駐車秩序の確立に努めます。
       
     自転車利用者に対する指導等の強化
       自転車利用者による交通違反に対する指導警告を徹底するとともに、酒酔い運転等の悪質・危険な違反行為の取締りを強化します。
       
     シートベルト等の着用の徹底
        シートベルト等の着用の徹底を図るため、自治体や関係機関・団体と連携し、広報啓発活動や指導取締りを推進します。
       
  (3)  交通安全施設等整備事業の推進
     交通事故の防止や道路における交通渋滞の軽減を図るため、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づく重点整備地区や「社会資本整備重点計画」に基づくあんしん歩行エリア及び事故危険箇所において、道路管理者と連携して交通安全施設等の整備を推進し、安全で安心な交通環境の実現に努めます。
       
6 治安基盤の充実・強化
       
 県警察においては、平成19年度をピークに大量退職・採用時代を迎えることから、治安対策に不可欠な現場執行力の低下が懸念されています。
 そこで、限られた警察力を最大限に発揮し、安全・安心な地域社会づくりに向けた対策を効果的に推進するため、次に掲げる治安基盤の充実・強化対策を推進します。
       
  (1)  人的基盤の整備
     本県の警察官一人当たりの負担人口は全国平均を大きく上回っており、依然として高い業務負担を強いられています。
 そのため、今後も国に対しては警察官の増員を要望するとともに、限られた警察力を最大限に発揮するため、治安情勢の変化等を踏まえた組織や定員配置の見直しを行い、効率的かつ力強い組織を構築します。
 また、大量退職に伴う大量採用期の到来を踏まえ、真に警察官としてふさわしい能力と適性を有する優秀な人材を確保するため、採用募集活動等の充実強化を図ります。
       
  (2)  警察署再編整備計画の推進
     社会環境や治安情勢の変化に対応した治安基盤を確立するため、平成16年5月に「警察署再編整備実施計画」を策定し、警察署の再編整備を計画的に進めています。
 今後も、同実施計画に基づいて警察署の再編整備を推進することにより、警察力を更に高め、県民が安全で安心して暮らせる地域社会の実現に努めます。
       
  (3)  精強な第一線警察の構築
      本格的な大量退職時代の到来に伴い、現場執行力の低下が懸念されることから、精強な第一線警察を構築するため、現場での対応及び捜査指揮に関する実戦的教育訓練を充実強化するなどして警察官の実務能力や執行力の向上を図るとともに、再雇用制度を活用した退職警察職員による指導教養の実施等により、後継者の育成に努めます。
  また、柔道、剣道、逮捕術を中心とした術科訓練を強化するとともに、装備資機材及び無線通信系の整備や改善等を推進します。
       
  (4)  被留置者の適正処遇環境の整備
      平成19年6月に施行予定の「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」に基づき、留置場の保安室の計画的な整備を図り、被留置者の適正処遇環境の整備に努めます。
       
  (5)  情報セキュリティ対策の推進
      捜査情報流出事案の絶無を期すため、私有パソコンの公務使用を一掃するとともに、警察職員に対する指導教養を強化するなど、情報セキュリティ対策を徹底します。
       
  (6)  警察業務の在り方の見直し等の推進
     増大する警察業務に対応するため、情報システム開発と機器の整備を図るとともに、職員からの要望意見を反映した業務改善により合理化・効率化を推進します。
       
  (7)  県民ニーズの把握と警察活動への反映等
     警察署協議会や県民意識調査等により、広く県民の要望意見を把握し、その結果を警察活動に反映させるとともに、犯罪捜査への協力要請や犯罪情報の提供等、治安の確保のための協働について県民に理解を求めるための施策を推進します。
 また、相談事案に対しては、関係機関との連携を強化して迅速・的確な解決を図るとともに、警察に対する苦情には適切に対応します。
       
おわりに
 
 県警察では、安全・安心な地域社会をめざして、以上に掲げた施策を組織を挙げて重点的に推進します。
 県民の皆様のご理解とご協力をお願いします。
     

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